14時丁度に来客を告げるベルが鳴った。 「……ぴったり」 朝、聖を迎えに来た柚野さんが 「では、14時に参ります」 と、温もりの無い笑みで言った。 遅れることはないだろうな、と思っていたけど本当に1秒のずれもなく14時にベルを鳴らすとは。 すごいを通り越して怖い。 「はい」 「柚野です。迎えに参りました」 「あ、ありがとうございます。すぐ行きます!」 ここまでキッチリされるとあたしまでちゃんとしないと、という気持ちになる。 柚野さんの彼女になる人は大変だろうな。