いくらあたしに対する聖の扱いが適当だったとしても、 あたしが柚野さんを好きになるなんて、絶対あり得ないから。 ……聖以外の人、好きになるなんてあり得ないから。 強い思いを込めて言葉にしたのに、 「そうじゃない」 「え?」 聖は否定し、シャワーへ向かう足を止めてこっちを見直す。 「いや……いい。ドレスは自分で好きなのを選べよ?」 「……うん……?」 聖の言葉がよく理解できず、とりあえず頷いた。 頷いたあたしを見て聖は「よし」と言って小さく笑うと、浴室へ入って行った。