「 …おまえがもし、
母親の前でも、そんな態度ならの話だが
一生懸命働いて帰って来ても
憎まれ口しか叩かない娘とは
あまり、顔を合わせたくないだろうし
でもオジサンは
お母さんにとっては、ダンナだからな 」
「 わ…
私には関係ないじゃんそんなの!! 」
「 そうだ 関係ない
しかもおまえ、後三年もすりゃハタチだろ
恋愛して嫁に行って、
実家に帰るのは、盆と正月
―― ダンナさんいなかったら
お母さん、ずーっとその間
独りぼっちなんだぞ?
おまえ、自分が寂しくなければ
どうでもいいのか? 」
「 …… 結婚なんかしないもん 」
「 いつもそう言ってた、
小学校の頃の友達
一番最初に結婚して、子供産んだな…
ちょっと順序、逆だったけど 」
「 マユちゃん? 」
「 そそ 」
リルカは毛布を被ったまま
少し離れた位置にある
パイプベットの上へと走る
辺りにある、
布団やら何やらを全部かぶって
あまり見栄えのよくない
蓑虫の様な姿になって、篭ってしまった


