――… なるほどね
「 清水、いい名前じゃないか
いい所だぞ
茶は美味いし、富士山見えるし 」
「 行った事ないし!! 」
小声で藤本に問う
「 …青戸が清水になるなんて聞いてないぞ
親が再婚する事位、
何でわからないんだよ 」
「 ―― それがですね
こちらも寝耳に水でして…
ほんの今さっき、
専用携帯に連絡が参りました
昨日、
いきなり決めたらしいんですよね
電撃入籍とでもいいますか… 」
「 …… 青戸 」
「 だから、
青戸じゃないって言ってるじゃない!! 」
「 …清水も嫌なんだろ? 」
「 ……… 」
「 じゃあ、リルカ 」
青戸の泣き声が止む
「 リルカ
うちは避難所じゃあ、ない
おまえがSOSを出してるのは理解出来るが
泊める事は出来ないよ 」
「 せっ… 先生のくせに
泊めたらヤバイって事?!
生徒に手、出すって事?! 」
「 そういう意味じゃない
これじゃ
おまえが俺を好きでいてくれて
頼って来てるのか
ただ
都合のいい逃げ場所を探しているだけで
実は俺の事なんてどうでもいいのか
判断がつき兼ねるんだよ
それに好きって言ったって
うちは女子校で、
若い男があんまりいないし
藤本先生と俺の、二択状態だしな 」
藤本が少し吹き出しながら
ドアに近寄り話しかける


