「 あ、やっぱり送りますか? 」
「 …違う 青戸だよ 」
「 ああ、こういう場合は…
文献によりますと 」
「 …うざいからはしょるって
おまえも言ったぞ
前世からの何だかとか、因果とか
ガイア意識と繋がろうがなんだろうが
俺にとってそんな事は実に
どうでもいい事なんだよ
――― 理屈じゃないだろ
人を好きになる気持ちってのは
おまえら
青戸の表面やら文献やら
そういう謎は、やたら探ってるけど
… 目の前でトイレに篭ってる
女の子の気持ちは
全然考えてねえだろう
第一、この天気がどうとかは
俺が原因とは、ちっとも思えない 」
「 ――… 何故です? 」
「 …藤本は
人間じゃないっぽいから判らないか?
―― 本当に、好きで、好きで
その恋がダメになったら
普通に今頃、地球なんか崩壊してるよ
青戸が不安定なのには
別の原因が、絶対にあるはずだ
それを聞き出さないと、
何も解決しないと思う 」


