「 あらら…バレてたんすか… 」




俺は大きなため息をつき

聖職者らしく正していた背を
椅子に思いきり預けて、足を大きく開いた




『 そりゃあね

―― キミはどこまで知ってるのかな?
青戸リルカ、彼女の事を 』




「 …まだ仕事に就いてから間もないし
なんも知りませんよ


『おまえここ行って、
青戸リルカって女子高生の
サンプルとって来い』

そう言われていきなり
この学園に送り込まれたんすから… 」



『 ほんとかなあ…?
サンプルってどんなの? 』



「 …そりゃ
彼女の服から…落ちた髪とか… 」



『   ヘンタイだ!!  』

『  ヘンタイ行為だ!! 』

『  なんて事だ…  』

『   ヘンタイめ   』



青白いスクリーンに
黒いシルエットだけの老人の声が
反響しながら幾つも叫ぶ




「 う… うるさいっ!!!
こっちは仕事なんだよっ

…それまで社に戻れないんだから
仕方ないだろう?!


まず、過齢臭漂う空間で
何でこんな状況にされてるのか
そのワケを詳しく言え!

――― 話はそれからだ!」





思い切り椅子に座り、前を睨んだ

過齢とか言われて傷ついたのか
『 こんな奴でいいのか 』とか
ザワザワとした声が収まらない



「 …うるせえなあ!

こっちに先に
ヘンタイとか言ったのはそっちだろ?! 」



『 …まあまあ皆様、御静粛に

まず、ここにいる彼
" アベ ユウジ "のデータを
ここに表示しますのでご覧下さい 』



「 な?! 」