「 宇佐美、アキラさん?
部屋に寄って下さって良かったですよ
… またこんな猛吹雪になるなんて…
地球、
どうなっちゃうんでしょうね?
ホントに〜 」
「 ほんとですよね〜
あっ!藤本さん
もう鼻に詰めるティッシュ、
作らなくて大丈夫みたいです
止まったっぽいですから! 」
「 おお! 良かった〜
雪がやむまで、
ゆっくりしていて下さいね
僕、張り切って、夕飯作りますからね! 」
「 ほんとにすみません!
…リルカちゃんもごめんね?
ぼーっと歩いてたから… 」
ガタガタと鳴る窓
青戸は
座布団を抱え、こちらに背を向け
テレビを見たまま首だけ振る
かたや藤本は、
もう随分前からここに住んでいる雰囲気で
鍋の用意を始めるらしい
「 …どうせオマエ
また地面のタイル、ひとつ飛ばしとかして
前、みてなかったんだろう 」
「 …う ち、違うわよ! 」
頬を膨らましたアキラは
コタツ布団を肩まで引き
慣れた調子で横の棚から
すぐにハサミをみつける
三個入りお得用のウドンの袋を切り
鍋の横に、並べて置いた
「 … 阿部先生 トイレどこ 」
青戸が立ち上がる


