青戸のジャンピングアッパーを喰らい
悶絶しているのは、ピンクのスーツ
ヒールは片方脱げ
右の鼻から、
ちょっと血が出てしまっている
「 ごっ… ごめんなさいいいい!! 」
真っ赤になったり真っ青になったり
残像が残りそうな慌てぶりで
床に倒れた女性を、
青戸が抱き起こそうとする
「 だ…大丈夫ですよ
もう仕事、終わりましたから 」
その女性は、
長い髪の頭を揺らして
少し見当違いな返答をしながら
涙ぐむ青戸に
微妙な精一杯の、微笑みを見せる
急いでハンカチを差し出し
次には俺の、動きが止まった
「 アキラ…? 」
「 …… え… ユウ、ジ…? 」
俺の名を、呼び捨てで呟いた唇
左からも、鼻血


