どこが光源なのか不明な
手枷足枷をされ座らせられた
俺を照らすピンスポットライト


――― 学園に来る途中、
いきなり拉致する様に運び込まれて
連れられた来た闇



空中にはいくつもの
青白いスクリーンが浮かび上がり
その奥には、誰か判らないシルエット




『 ―― うん、これは命令だよ
お願い出来ないかなあ? 』




そんな闇の中で

俺から少し距離を置いた場所から
のほほんとした声を響かせ

浮き立った長く白いヒゲが
ゆっくりと位置を下げる





「 命令でお願いって…
…学園長!!私は神父です!

この身は、一生を神に捧げて ―― 」



『 あ、牧師さんになる?
そしたら結婚出来るでしょ?
なんだったらこの学校自体も、
コンセプト変えちゃっていいし 』



「 そ…め…めちゃくちゃだ!!
な、なんて事をいうんですか!!」



『 …悪い話じゃないのに〜
女子高生と結婚出来るんだよ〜?


―― それにキミが

某生物兵器研究所から送られた
スパイだって事は
こちらはもう分かってるんだよ



――― その黒い聖職衣、脱げば? 』




元いた場所から
少し前に進んで来た学園長の姿


保護色になっていた黒い机の上には
何かモニターがあるらしく
その薄明るい光が
普段とは、うって変わった表情を
より一層厳しくさせる