「 あ… アイス食べたら
ちゃんと帰るわよ!!
うちコタツないし、コタツでアイスって
憧れだったのよね
あ! 先生!
さっきベランダの洗濯機の横に
洗い物溜まってるの見えたから
ついでだからやってあげ 」
「 青戸、少し落ち着け
彼女でもないんだし、やらんでいいから 」
ベランダに駆け出そうとしていた足が
その声で止まる
「 な…なに言ってんの?
当たり前じゃん!
チョコレートの事だって、
誤解しないでよ?!
あんなのクラス皆で、交換するのに買って
余った奴なんだから! 」
青戸はドスンとコタツに入り
リモコンを取って、
テレビのスイッチを入れた
動揺する気持ちそのままに
チャンネルを何度も変えて行く
開けたまま忘れている
コタツの上の炊飯器
ウサギの描いてある茶碗に
少し水っぽい飯をよそって
青戸の前に置いた
「 ――― あのな
俺はキミが生徒だから優しくもするし
青戸が少しづつ、
俺の事を好きになっていってくれたのも
ちゃんと、気が付いてた
―― 言葉遣い、
前はそんなんじゃなかったしな 」


