銀鏡神話‐玉響の驟雨‐

「だから飛ぼうかと思い機械を研究しているんですがねー。

此がなかなか上手くいかないんですよー!」

さっき壊れてた機械は空を飛ぶ為の物だったのか……。

「ええ。 失敗続きですがね。

まぁこっちの世界で運命の人に出会えたし、毎日楽しくやってるから良いんですけどね。

あっちに残して来ちゃった物が有るので……」

あっちに残した物?

何だろう。

俺はフィルリアだな……

母さんの墓も作ってやんなきゃいたたまれない。

早く帰らなければ……

「では、ヤヅノ様の家に向かいます。」

ナーウィは先頭に出ると、物凄い速さで走る。

「は、速え……」

アイラがポカンと見やった。

あっと言う間にナーウィは見えなくなった。

「では私達はゆっくり行きましょうか。」

ヤヅノがのんびりと足を踏み出した。

街の中を案内してもらいながら、元の世界について話す。だが、アイラの表情が弾んでいない事に俺を気づいた。

「アイラ……?」

「信用ならねーよ。

ったく、お前もお前だ。何信用しきってやがる?

魔導石は聖国と和国の法皇と天皇、其の直属の幹部たちしか知らない話だぞ?

彼奴、何者かわからねー……」

アイラ……

気持ちは分からないでも無いよ。

「信じちゃ、駄目かな?」

「……勝手にしやがれ。

裏切られても俺は知らねーからな!」

アイラは俺を手前を歩いているヤヅノに向かって突き飛ばした。

ヤヅノの背に派手にぶつかると、俺は転げた。

「どぇええっ」

断末魔の叫びをヤヅノはあげると、ドミノ倒しで転げた。






「我が邸宅へようこそ、ようこそ!」

「おおおっ」

流石、邸宅と言う程だ。

ブロンズの巨大なポッド型の機械。

ぎぎぃと煙をはきながら入り口が開く。

「ヤヅノ様、奥様がお呼びです。」

ナーウィが出てきた。

奥様ってヤヅノの奥さんだよな。

「何だい? アシュリィ?」