銀鏡神話‐玉響の驟雨‐


「ギルバート・クリスターだ。」

「アイラ・ウォークス。」

酷く冷たい彼女の手にドキッとした。

然も硬い。

人の手では無いよな。

「ご察しかと思ワれますが、私は人ではありません。

いエ、もう人では無くなッたと言っておきましょう。

私は実験用ペイシェント。」

実験用……ペイシェント?

「異国の言葉で患者という意味でス。

大病だッた私は、此のメトロデスクでの技術を用いて機械人間とナる事で、命ヲ保つ事ができたのデす。」

機械……人間?

其れって大丈夫なのか?

ナーウィにとって都合が良い事ばっかりなのか?

「都合良いと言えばまぁ良いんですけど、今のメトロデスクの技術では、機械と錬成させる事によって、躰の十分の七は機械になるから、感情機能も機械的になって低下しちゃうんですね。」

そんな……

感情が無いって楽しいとか感じ無いんだろ?

そんなのつまらなくないのか?

「ギルバート様、私は大丈夫でス。

こうして生を長らえるだけデ、十分、満足していマすから。」

そう言うものなのかな……

「しょうがないですよ。

メトロデスクの人間は大半がペイシェントになる為に来ていますから。」

そうなのか……

じゃあナーウィは此の地底国の人間なのか?

「はい。

東のスフィルの村から来ました。」

地底国には人間が住んでるのか……

「歴史を調べてみた感じ、煌の力について関わった人間たちは行方知れずになってます。

きっと此の国に来てしまったからでしょうね。

其の子孫が彼女たちです。」

煌の力と此の国は何の関係が有るのだろう……

「……帰れた奴らはいないのか?」

!! アイラ……

「いませんね。」

渋るかと思ったらヤヅノはあっさり言った。

「帰る方法は無いのか!?」

「有りませんね。」

嘘……

そう簡単には帰れないのか?

「ええ。 天井を破壊してやろうと思いましたが、魔力防壁が兼ね備えられてるので魔法だと跳ね返されますね。」

そんなぁ……