銀鏡神話‐玉響の驟雨‐

「此れが、力の代償ってなわけだな。」

力を出し過ぎたら、代償により脆くなるのか。

煌の力って、もしかしたらかなり不便な物なのかもしれない。

「ったくどうしようもねぇな。

しょうがねー、ほら、ギル。」

アイラが屈むと、背におぶされと向けてきた。

情けないが、俺はアイラの細いが、がっしりとした背中におぶさった。

「父さんがいたら、こんな感じだったのかなぁ……」

温かくて、それでいて、とっても大きい。

って若すぎるか。

まだアイラは二十五歳の、聖国期待の新人だ。

「ははっ、お前みたいな息子がいたら、楽しそうだな。

……お前の父親はどうしたんだ?」

俺の父さんは、俺が生まれた頃、隣国との戦争に出て死んだらしい。

見せてもらった父さんの唯一の写真。

軍服を着ていて、笑っていた。

小柄で細身なのに力持ちで、赤い髪で、蒼い瞳で。

母さんは俺の事を父さんの生まれ変わりだといっていた。

「名はなんというんだ?」

「……ルイス・クリスター。

あんたの二代前の守護隊長だった。」

戦で、法皇様を護る為に、守護隊長だった父さんは死んだんだ。

だからすんなりフィルリアに法皇を殺すのを手伝えるなんて言えたんだ。

旦那が死んだせいでどれだけ母さんが苦労したか。

其れも法皇のせいだと思うと。

「……ルイス・クリスターは俺の憧れの人だ。

八歳の頃、聖宿祭で初めて彼を見た時、騎士になって此の人と共に聖国を支えていきたいと心から思ったよ。」

そんなに凄い人なんだ……俺の父さんは。

「ああ、誇れる父親だぜ。

ギル、お前はもしかしたら……」


ドンッ


左から爆音が聞こえる。

「! 伏せろっ」

アイラが俺を背から下ろす。

一心になりながら俺は伏せた。

火花が散る。

何かの破片が沢山降ってきて、頬に傷ができた。

「何だ、これは!?」

目を開け、爆音の方を見ると、何かの機械の残骸がある。

白い大量の鉄の破片。

得体の知れないコードまである。

「あああああ!」