「じゃあ、俺にどうしろと?」

「アンタには、謝るっていう選択肢がないの?」

謝る?

「何で?」

「・・・もう、いい。最低」

最低って・・・。

「分かった。分かった謝るから、顔あげろ」

「・・・・」

鈴はゆっくりと、顔をあげる。そして俺は・・・。

『バカ』

と書いた紙を鈴の顔の前に出した。

「・・・・」

鈴は唖然としている。

「プッ。鈴、お前その顔おかしすぎ(笑)」

「・・・爽太!!!!」

えっ!?

「待て!鈴、落ち着け!!」

『ドカッ』

俺は、鈴に腹蹴りをくらった・・・。

「いって~!!」

「知らない!!!!」

鈴はそういうと教室を出て行った。

「あ~あ。また、怒らしちゃて」

「大丈夫か?爽太」

この二人は俺の友達の 須王 夏(すおう なつ) 杉山 一斗(すぎやま かずと)。

「まったく~、素直にならないと他の男にとられちゃうぞ!そ・う・ち・ゃ・ん☆」

「夏。キモい」

「なっ!ひっで~。先生!爽太君がイジメます!」

一人で騒いでる、夏。

「バカやってないで、早く帰れ」

先生はだいぶ呆れてる。

まったく、夏はくらだねえんだよ。

俺は教室をでることにした。

「あっ!爽太、どこ行くんだよ!!」

「うっせ~な、どこでもいいだろ」

ホント、騒がしいなアイツ。夏にあんなに騒いでよく元気でいられるな。

「パンッ」

なんの、音だ?

横を見ると弓道場だった。

あっ!鈴だ。そういえば、アイツ弓道部だったな・・・。

しばらく、鈴を見ていた。鈴が、射る矢はどれも風を突き抜けて的のど真ん中にあたった。