「いてっ」

オレ怪我してるの忘れてた。

「あぁっ、まだ寝ていてください。傷は消毒しましたが、治るのには時間がかかりそうですから」

「お姉さん……」

もうずっとここに居たい。
こんな優しくされたのって…
何年ぶり、なんだろうな。

「スープ、作りますね。寒いですから、あったまりましょう」

数分後にお姉さんはいろんな野菜の入ったスープを持ってきてくれた。
美味くて美味くて、もう泣きそうになった。

「オレ、佐々木蓮夜っていいます。ほんと…ありがとうございます」

柄にもなく、まじめに挨拶するオレ。我ながら気持ち悪い。けど、こうするほか思いつかなかった。