「あの…それじゃ…」

 そう言って、そそくさと歩き出す彼。

 「ま、待って!」

 彼の腕を、がっちりと掴んだ。

 「な、なんですか…?」

 「面白い場所知らない!?」

 「え…?」

 チャンスだと思った。

 この人、格好からして絶対アキバ系!

 いい場所知ってるかもしれない!

 「お…面白い場所って…」

 「お願い!私、アキバなんて初めてだからよくわかんなくて…」

 お願い、と目の前で手を合わせる。

 彼は戸惑っていたようだけど、承諾してくれた。

 「つ、ついて…きて、ください…」