彼は対人恐怖症。




 え……。

 「対人…恐怖症…?」

 「は、い…。僕…ひ、人が怖くて…」

 …だから、私の手も払ったんだ。

 和は怖がってたのに、私、なんてことしちゃったんだろう。

 ホント、無神経だった…。

 「和…ごめんね」

 触れたら、和が怖がる。

 背中を撫でることもできなくて。

 私は、ぽろぽろと涙を流す和を、見つめることしかできなかった。