彼は対人恐怖症。




 「カフェラテをひとつ。……和は?」

 「あ…ぼ、僕も同じのを…」

 ウエイトレスさんに告げ、ウエイトレスさんが去ったのを見てから、和を見た。

 「い、五十嵐…さ、ん…」

 まだ涙目の和。

 「なあに?」

 私も、平然を保つ。

 「ほ、ホントに…ごめん、なさい…」

 私は、和の目を見る。

 「…和は、私が嫌い…?」

 その言葉に、今度は和が顔を上げる。

 でも、私と目が合うと、またすぐに下を向いてしまった。