「あ…!」

 私が声をあげると、"彼"はあの日と同じように、下を向いてモジモジしていた。

 「和…!」

 「…こ…んにちは……」

 私は一目散に和のもとへ駆け寄った。

 「あの!!」

 和はビクッと震えると、

 「な、なんです…か…?」

 と答えた。

 「会いたかったぁー…!」

 私がそう言うと、和は顔を赤らめた。

 でも…

 「どうしたの?」

 私がそう聞き、和の顔を覗き込む。

 すると

 「……っ!」

 和はあからさまに私を避けた。

 急に私から離れた和。

 ガタガタと体を震わせている。

 さっきまで少し赤かった顔は、真っ青になっていた。