「和…どこだろう…」

 どこだろう、って言うけど、和に会えるかもわからないのに。

 私は、前に和と歩いた道をまた歩いていた。

 和を捜し始めて、もう2時間になっている。

 「……はぁ…」

 ホント、私ってバカだなぁ。

 自己紹介しただけで、連絡先も交換しないで帰ったなんて。

 こんなにも気になる人になっちゃうなんて、思わなかったんだもん。

 「どうしよう…」

 今日は、もう無理かも。

 もう帰ろう…。

 そう思って、来た道を戻ろうと振り向いた。