「突然怒鳴って悪かった。

怖かっただろう?」

そう言った僕に、聖は否定するように首を横に振った。

「怖いなんて、思わなかった。

でも…怖くないって言ったら、ウソになる」

僕と視線をあわせると、聖が言葉をつむいだ。

「私たち、反対されたの…?」

聖が言った。

「あの人たちに、嫌われたの?」

今にもすがりつきそうな声で、聖がそんなことを聞いてきた。

反対された。

嫌われた。

そうなのかも知れない。