アイシテル

リビングの前で、奈津子おば様と奈々恵は立ち止まっていた。

彼女たちの視線の先は、
「――聖…」

突然の訪問者たちに、聖は戸惑っていた。

僕は立ち止まっている2人を通り抜けると、聖の元へと足を向かわせた。

僕がきたことに、聖は安堵の表情を見せた。

「――春海さん、その方は…?」

奈津子おば様が、呟くように僕に聞いてきた。

この際、言ってしまおう。

僕らが共有した時間を。

僕らが共有した秘密を。

みんなみんな、バラしてしまおう。

隠していたことを、全て言ってしまおう。