アイシテル

「聖?」

名前を呼んでも返事が返ってこない。

まさか…。

僕は、嫌な予感を感じた。

聖はバスルームで倒れているんじゃないかと、そんな予感を抱いた。

いわゆる、バスルームでの事故である。

特に今の季節は、危ない冬である。

もしかしたら、突然の発作を起こして倒れたのかも知れない。

僕の頭の中に浮かんだのは、実母の死だった。

実母の死も、突然の発作だった。

発作が原因で、僕を置いてこの世を去ったのだ。

「――聖!」

彼女の名前を叫んで、バスルームのドアを勢いよく開けた。