聖の後を追うと、トイレで吐いているところだった。

吐いているその姿はとても苦しそうだ。

「聖、大丈夫か?」

聖は水を流すと、声をかけた僕の方に向き直った。

「ごめん、春ちゃん。

何だかここのところ、体調が悪いみたいなの」

困ったように笑った後、聖は片手を額に当てた。

「私、風邪ひいちゃったのかな…?」

そう呟くように言った後、聖は息を吐いた。

「聖」

名前を呼んだ僕に、
「何?」

聖が聞き返した。

「病院に行こう」