殺された。

死んだんじゃなくて、殺された。

母は、殺された。

奈津子おば様たちに殺された。

僕の中でこみあげてくるのは、怒りの感情だった。

「私、どうすればいいのかわからなかったんです…。

そんなことを耳にしてしまって、だから…」

もうほとんど聞いていなかった。

奈々恵の話は、もう聞いてなかった。

知らなかった事実に、こみあげてきたものに狂いそうになって、
「西山さん!?」

僕はその場を離れていた。