「――何で…」

何で見るようになったのだろうか?

心当たりを探って見ても、特に何も見当たらない。

「――聖…?」

視線を向けると、眠っていた目を少し開けている春海と目があった。

ああ、春海だ。

私の愛しい人。

愛し過ぎて、愛し過ぎて、狂いそうな人。

狂わされてもいいと思っている人。

「――春ちゃん…」

名前を呼んだ後、私は春海の胸に頬を寄せた。

彼の体温が頬に伝わってきたことに、私はホッと胸をなで下ろした。