「志乃月さんさってさぁ、良い匂いがするよね・・・」


佐野君が突然口を開いた。


私は自分が良い匂いと言われて戸惑ってしまう。
それに香水などはつけてないから、“良い匂い”と言われてもどこらへんが?、と疑問に思う。



それに、何だか危険な気がする・・・。
私の中の何かが、“逃げろ!”って言ってる・・・。



「佐野君・・とりあえず話してもらってもいいでしょうか?それに、良い匂いと言うのは・・、っつう」



私は最後まで言葉がいえなかった。

正確に言うと、言おうとしたら遮られ、激痛が走った。

―――首に・・・。