「おい、どうしたんだよ」




そう声がしたと同時に腕をつかまれる。




振り返ると今ちょうど登校してきたらしくまだ、鞄をもったままの双子さんがいた。




「はなしてっ!!」




ごめんなさい…
本当ははなしてなんて欲しくない……




「嘘吐きはよくないよ?」




斎斗の横で聖斗くんが静かな声で呟く。




「嘘吐きって、なにが?」



負けないように…
心がおれてしまわないように……




そう言い返したのはいいけれど、苦しくなる。