「斎こそ、最近僕に冷たいでしょ?」
「そんなことねぇよ」
「どうせ、桐葉ちゃんがいるから僕のことはどうでもいいんでしょ?」
「そんなわけあるかっ! お前は大事な家族なんだから」




素晴らしい、斎の一言でなんとか喧嘩は収まった。




「なになに? 聖斗、斎斗取られて桐葉に嫉妬でもしてるの?」
「な、なにいってるの?!」




聖斗くんの焦り様からいって、図星のご様子。




私、聖斗くんの嫉妬の対象なんだ…
いや、そうだよね…聖斗くんにとって大切な存在の斎をとってるようなもんだもんね……




「ごめんね、聖斗くん」
「べ、別に桐葉ちゃんが悪いわけじゃないんだよ?」
「で、でも……」
「僕が斎から卒業しなきゃいけないんだ」




聖斗くんから強い意思を感じた。




本気なんだ…




「だから、もう少し待っててねっ」




そう言って儚く笑った。