「桐葉ちゃん、大丈夫かな?」
「大丈夫じゃねぇ? だって、あいつ強そうだし」
「そうかな?」


そうかな?
って、そうに決まってんだろ!
だって、俺に好きかって言えるぐらい強いし。


「僕が思うにだけどさ、まだ特に何もされてなかったはずなのに、屋上へ……それってさ、弱いって事じゃないかな?」
「そうなんのか?」
「僕には分からないよ。本人に聞かないとね」


そんな話をしながら、桐葉が手術室から出てくるのを待っていた。


「それにしても、親遅くねー?」
「確かにそうだね。もう連絡はいってるはずなんだけど」


やっぱり、あいつ色々あんのか?
わかんねぇけど…………。
でも、そうだったら、話して欲しいよなぁ……。
俺等なら…………


「何かあるなら、話して欲しいね。僕等ならきっと分かってあげられると思う」
「今、俺もそう思ってた」


俺等はすこし笑った。


大丈夫か?
生きてるよな?
死んでねぇよな?
もう、誰かが死ぬのは見たくない。
別にあいつが好きだからとかじゃない。
ただ、とにかく、


死んで欲しくない!


「大丈夫? 斎、顔色悪いよ?」
「それはお互い様だ」
「フッ。そうかも」


聖の顔色も酷く悪かった。


たぶん、俺と同じ事考えてる。


その時、手術室の扉が開いた。