そうだよね…
聖斗くんが、今の方が楽だと感じてしまえば、もう戻らないかもしれないんだ……




「そういえば、私がきた時…何を喧嘩してたの?」
「気になるか?」




私は、うんと言って頷いた。



「噂を流したのは聖だぜ、とりあえず言っとく」





喧嘩してた理由…?
噂……?
もしかして…!




「キスしたって噂、聖斗くん本人が流してたの?!」
「そうだぜ。まぁ、これも一つ喧嘩の理由だったわけだが…一番は、やっぱお互いのストレスなんじゃねぇかなぁ。まぁ、色んな事から怒りがきたんだろうな」
「斎斗は…どうして、聖斗くんに暴力ふるわれてたときに止めなかったの?」




斎斗はうつむいた。




「…そうでもしねぇと、殺されてたかも、俺。あはは」




意味わからんですよ。
どうして、殺されちゃうの?!




「昨日、家に帰ったあとに聖、なんか、言われたっぽい。まぁ、どうせどっちかが死ねば、生きてた方の子を愛してあげえうとでもいったんじゃね? 聖は、俺より家族から愛されたいって気持ちも強かったと思うし」