「お母さん、桐葉ちゃんは何にも悪くないよ。家に帰らしてあげて」




聖斗くんは私に様子をみてか、震えながらもそんなことを言い出した。




「ダメよ」
「お願いします、悪いのは僕だから…だから、桐葉ちゃんは帰らしてあげてください」




土下座して、そう言った。
その言葉を聞いた、聖斗くんたちのお母さんは笑出した。




「傑作! そんなに、大事なの? 今まで私に頭なんて下げたことのない奴が、突然そんなことし出すなんて!! あはははっ」




狂ってる。
狂ってる、この人は。
おかしいでしょ…?

おかしいよね?




「あんたみたいな奴に大事な人が出来るとは思ってなかった。だいたい、頭狂ってるって逃げられてたのに…この子も狂ってるってことかな?」
「ちがっ…全部お母さんがっ!! それに、桐葉ちゃんは狂ってなんか「ない、っていうの?」




ダメだ、もう何だか立ってるのもやっとな感じ。
この人、おかしい…
もう、意味わかんないし!!←状況把握頑張れ




「狂ってないよ。桐葉ちゃんは」
「そう。じゃあ、もう、近づかない様に言った方がいいんじゃなぁい? 狂ってるのが、うつっちゃったら可哀想よ?」




聖斗くんから、声が消えた。
そして、その横を斎斗が……