「あなた、誰?」




突然前に立つ女性に聞かれた。

当たり前なのだけど……




「初め、まして。千堂、桐葉です」




私はとりあえず、そう言っておいた。




「どうして、家に女の子がいるの?」




声が、怖かった。
目の前に立つこの人からのオーラみたいなものが変わった。

怖い…




振り返ると、聖斗くんが口を開こうとしていた。
だから、私は…




「わ、私が、家にお邪魔したいって頼んだんですっ!!」



そう叫んだ。←叫んだの?!




「そうなの? でも、私はあなたに聞いたわけじゃないのよ。だから、黙っていてね」




呪文のような言葉だ。

もう、一言も話せない。
ただ、そこに立って、

怖い

そう思うことしか、出来なくなってた。←そんなに、怖いの…?