「きり、は……?」




俺はそっと声をかけてみた。




「はは、よかった…。もう、これで隠し事がなくなった。よかった…」




そう言って、泣きながら笑う桐葉。




何を言ってんだよ?
クラス中にバレちまったんだぞ?
どうして、良かったなんていえるんだ?
それに、隠してることは他にもあるだろ?←確かにっ!




「もう、みんな、嫌いになっちゃったんでしょ? 信じてもらえないのに好いてても仕方ないもんね」




なんで、そんなこというんだよ…?
俺にはわかんねぇよっ!!





「桐葉、みんなに嫌いになるな、ぐらい言ってやれよ!! 何、諦めてんだよっ?! 本当は、嫌いになんてなってもらいたくないんだろっ!!!!」




俺は叫ぶ。
桐葉は驚いたように目を見開いている。





「斎斗……。あきらめるなって、言われたって…グスン、もう、みんな…嫌いになっちゃったよぉ…でも……もし、嫌いじゃなかったら……私頑張って人を信じられr」




"パチーン"




教室中に響く音。