「珍しいってか初めてだよな?元木君がバスケ誘うなんて」
「人数足りなくてさ、嫌なら大丈夫なんだけど…」

最後の大丈夫なんだけど…。で、切るところが明らかに計算してるだろ…
「そんなことないよ!どこでやんの?」
「おーサンキュ!!HRまで時間無いから急いで!」 元木はクルッとヒロに背を向けて教室を出た。ヒロも彼の後を追って走った。


バスケってコートには他のクラスの連中が2人を待っていた。ヒロ達と同じC組の青田に田所。A組の長田に荒居、そしてなぜか体育の清水先生がいた。
「先生、職朝会は?」
「いやーヒロがバスケするって聞いてな。いてもたってもいられなくなって」

おれがバスケするのがそんなに珍しいか?まぁそれもそうか、体育なんて暑苦しくていつも見学だったし。…スポーツは嫌いじゃないけどおれはいいや。だからかな?
「それにゲストもいるしな!」
元木がニコニコしながらヒロに言った。



「ヒーロ(はあと)」
聞き覚えのある…とても嫌な声だ。
紛れもない…山田だった。






はめられた