その夜、
繁華街には青薔薇が咲き乱れた。

それはまるで、
狂ったように、
荒々しく、
相手の喉を潰し、
骨をくだく。

それでいて、
花のように儚く、
誰もを魅了し、
畏敬させた。





紀紗は泣いていた。

声も出さず、ほろりほろりと泣いていた。

もう、何も解らない。

自分も、"アイツ"も、

何もかも…