今、何て言いました? えっと…確か、 《またな。もう迷子になるんじゃねーぞ》 って。 「……って、えぇぇぇぇ!?!?!?」 誰もいない教室に私の声が響く。 (な、なんで佐渡くんが迷子になったこと知ってるの!?) 脳内パニック状態。 「――おーい、小野さん。早く帰りなさいよー」 先生の声でふと我に返る。 「あ…はーい」 私はカバンを肩にかけて教室を出た。