「ていうか皆着くの早いね~。俺、車でブッチ切ってきたと思ってたのに。」 「女が座ってたから少し手加減したんだろ。」 「お、よくわかってるね、みおちゃん。」 …金髪は、相手の嫌そうな顔を無視して、ずっとちゃん付けで通している。 ある意味大物だ…と、少し関心してしまった。 「…早く。他の奴らが待ってる。」 ため息をつきながら、黒髪が私と金髪をガレージ近くの建物―――といっても雨宿り程度にしかならない―――に誘導する。 そこには、大量の人間が床に座り込んでいた。