GIVE IN TO ME




「たったそれだけで、惚れるって言うの?」




 瞳が黒い奴なんて、この国には数えきれないほどいる





「…夢羽は、黒に執着してる」



 黒髪がポツリと呟く




「今でもよくわからない



 リオみたいな女に、どうしてそこまで夢中になったのか」



「…自分の片割れにそんなこと言っていいの?」



「そんなこと、とっくに本人は自覚済み




 むしろ、だから手に負えなかった」





 そう言った黒髪の目には、わずかに殺意がこもっていた