「ふぅん…」



 黒髪が何かを考え込むようにして黙りこむ。




「まぁ、ここが夢羽個人の家だってこともあたり。



 夢羽、金持ちのボンボンだから」



「…じゃないとベンツなんて乗りまわさないでしょうね、


 ただの暴走族の総長が」



「ベンツの他にもいろいろあるぜ?


 車ぐらいしか興味ないから、夢羽は」




 あぁ、あとアンタか。





 黒髪は憎らしそうに私を見た。