ボーダーライン

部屋に入ると同時にベッドに目をやる。



「はよ〜っ…。」



上半身を起こしてタバコを吸っている男がコッチを見て私に声をかけた。



「ど〜も。」



私はその男をチラッと横目で見ただけで
髪を拭いていたタオルをソファーの方へ投げた。



自分のバッグからゴソゴソとタバコを取り出して口にくわえると



「はい、どーぞ。」



いつの間にか私の側まで近付いていた男が
"カチッ"という音と一緒に火のついたライターを差し出した。