実際に一週間後、この場所に私はいない。

江川朔夜なりに、何か感づいているのかもしれない。

すぐに帰ることを伝えて、電話を切った。

あえて、最後の言葉には触れずに。

携帯を閉じたところで、また、着信を知らせる音が響いた。

表示されたのは、あの人の名前。

「…はい」

[準備はできているな?]

「はい。明日、だいたいの荷物を送りますので、明後日には、届くかと」

[わかった。くれぐれも、粗相のないようにな]

その言葉を最後に通話が途切れた。