走って家に帰って
制服も脱がないままベッドにダイブ


家には誰もいないけど
枕に顔を押しつけて声を殺して泣いた


「もう…やだ…」


あんな必死に言い訳したら
気持ちバレちゃってるよね…


泣きつかれて瞼を閉じると

帰り際に見た先生の顔が浮かんで消えない



ガチャッ

玄関が開く音がして
お母さんの声が聞こえてきた


「入って入って〜」


お客さん?
……私の嫌いな声だ…

もしかして…!


「や、やだ!待って…」


「唯ちゃーん?リビングに来てくれない?お客さんだから」


その言葉に心が冷えきるのを感じた


お母さんは紹介する気なんだ…


「…うん…分かった…」