ヒミツの恋の方程式

それなのに、スッキリとしないのは――…


「“弟”くんには、悪いことしちゃったかな?」


同じく丸い椅子にどっかりと腰をかけて、保健室の先生がいないのをいいことに、ぐるんぐるん椅子をまわしてニヤッと笑う黒あくまの言う通り――…


あたしは、さっきの聡の顔を思い出して、唇の端をちょこっと噛んだ。


だって――…


「おもちゃを盗られたガキみたいな顔だったな」


―いや、それは違うと思うけど。


でも、確実に傷つけた。


聡の横を通るときに浴びせられた視線を思い出して、心がしゅんとしぼんでしまう。