ヒミツの恋の方程式

「…っ。
抱かれてるって…
ち…違っ…
まだ、抱き締められてるだけだよっ」


聡の言葉を慌てて訂正したけど、聡はそんなことはどうでもいいと言わんばかりに、あたしのセリフにセリフをかぶせた。


「それって、オレだけ?
それとも――…」


聡はちょっとだけ身を起こし、あたしのおでこに自身のおでこをコツンとあてる。


「雫が、敦と理科室のカーテンにくるまってた…って、噂を聞いた」


「…っ」


「そんなの嘘だって、信じたかったけど――…」


「…」


「ホント、なんだろ?」


「…」