あれ?


黒あくまって、どこを通って、ここに来た!?


黒あくまの発する言葉のインパクトの方が大きくて、黒あくまがどこを通っているかとか、あたしをどこに連れて行こうとしているのかとか――…


考えても、見てもいなかったよ。


きょろきょろっと首を左右に振って、ここがどこかを確かめようとするあたしに、


「ここなら――…」


黒あくまはあたしの手を引っ張りながら階段に腰を下ろし、あたしの耳元で囁いた。


「誰にも聞かれねぇよ?」