「あのさ。
そんなに、いじめられたい?」


少し高い位置にある綺麗な顔がスッと歪み、苛立たしげにあたしの両腕をまとめて片手でつかんで、ギュッと壁に押し付ける。


実験道具を用意するために、クラスのみんなよりも先に来た理科実験室。


ビーカーやフラスコが並ぶ棚の横。


「え?
ち…ちょっと待って…」


あたしのうろたえた小さな声なんか、あっさり無視して、目の前の榊原聡は躊躇なくあたしの制服のリボンをプチンとはずす。