自分の部屋に行き、服を着替えてからリビングへと向かった。
キッチンの電気をつけ、リビングの電気もつける。
一気に黒から明るい色に変わる。
これで怖くない。
キッチンに香るカレーの匂い。
キッチンには鍋に入れられた具たくさんのカレー。
テーブルに置かれたお母さんからのメモには“暖めて食べるように”と書かれていた。
今日、お兄ちゃんは何時に帰ってくるだろう。
早く帰ってきてほしい。
1人の夜がこわい。
お兄ちゃんの為にお風呂洗って沸かしておこう。
体を動かさなくては呑み込まれててしまいそうな感覚に陥るから。
お風呂を洗ってお湯をためて、おなかが減ったから悪いけど先にカレーを食べる。
お兄ちゃんを待っている時間は久々に感じる楽しい時間。
アレやって、コレをして……お兄ちゃんが帰ってくるまでに、お兄ちゃんの為に何かをしていたい。
なんだか夫婦になったみたいだ。


