「あんたが犠牲になる必要はないんだから。
お母さんに泣きつかれても自分のしたいことしなさいよ?!
だってあんたの人生なんだもん!」



麻緋はやりたいことやってキラキラしてる。

でも俺にはやりたいこともない。


なんもないんだ。






「ねぇ?!聞いてるの?」

「うっさいんだよ!

俺は俺でちゃんと考えて決めたんだ。
いまさら偉そうに何言ってんのさ。
俺のことなんてほっとけよ!!」





近くにあった雑誌を掴むとそのまま力一杯壁に投げつけた。

もう我慢ができなかった。




「あー!そう!!もう知らないんだから!!」

バァンっとドアを乱暴に閉める音がした。






やってしまった。