「ありがとーございました!! えーっと、では次は……『あまやどり』って曲です。この曲は、恋する男女の甘ーく切ないラブストーリーになってます。聞いてください……」 ギターの音が切なげに鳴く。 そこにドラムとベースがゆっくりしたテンポで入り込む。 切ない歌は苦手だ。 自分に置き換えてしまって涙が出てしまいそうになるから。 冷たい手。 振りほどき、 雨の中、走り去る そんな悲しい言葉たちが私の周りにまとわりつく。